ロシア制裁がロンドン住宅市場を熱くする-バーシドスキー

ロシア人と親ロシア派のウクライナ人を標的とした制裁が、ロンドンの不動産市場に恩恵をもたらしている。2014年1-3月にロシアから流出した510億ドル(約5兆2200億円)の一部がロンドンに向かっているからだ。ロンドンの不動産が新たな冷戦時代の資金逃避先になるのを英政府が防ごうとしても、流れ込む現金をせきとめるバリケードはできそうもない。

英紙ガーディアンは1月に、英国で昨年2番目に地価が高かったロンドン北部ビショップス・アベニューに立ち並ぶ邸宅が空き家になっているとの調査報道記事を掲載した。それによると、総額1億2200万ドルの10軒が、1989-93年の間に購入されてから一度も利用されていなかった。買ったのはサウジアラビアの王族のもようだという。その2カ月後にはエコノミスト誌が、ロンドン北部に家を買いたい外国人富裕層を顧客とする不動産業者グレンツリー・インターナショナルが、同じ物件を投資目的で購入しようとする「匿名」ロシア人のために仲介したと報じた。

また、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は富裕層のための物件探しを手掛けるチャールズ・マクダウェル氏の「確かにロシアと全体的に東欧からの買い手が増えている」というコメントを引用した。「特にロシア人は、制裁強化の影響を心配している」という。

制裁を恐れるロシア人が英国の不動産を売るのではなく買うというのは、直感的に考えると奇妙だ。不動産接収や銀行口座の凍結が取り沙汰されているのに、プーチン政権の恩恵に浴している金持ちがますます不快な目に遭うリスクを高めるのはおかしい。

理由は2つだ。第1に、ロンドンに家を買うロシア人たちは制裁の対象でもなく、これから対象リストに載るほどプーチン大統領に近くもない。彼らが恐れているのは制裁対象がロシア経済全体に広がることだ。もしロシアが国際社会で完全に孤立するなら、ロシアの中より外にいた方がいい。第2には怪しげな資金にとって、ロンドンの不動産市場は他の大方の投資先よりも安全な逃避先なのだ。誰が本当に買ったのか分からない方法で購入でき、流動性が高く卓越した法制度によって守られている。資金の逃避先として申し分ないだろう。

英国では外国人の不動産購入に対する制限はないし、オフショア会社の名義で購入することも可能だ。もちろん、公式には政府も手をこまねいてはいない。オズボーン英財務相は335万ドルを超える住宅の売買に2012年から課していた印紙税について、企業が買い手の場合は84万ドル超の住宅も含むように適用対象を広げた。

これによって英政府は昨年、1億1800万ドル相当の税収を得た。これは政府が見込んでいた額の5倍で、要は税金が購入の妨げになっていないことを示している。15年に導入される外国人の不動産投資に対するキャピタルゲイン税も同様だろう。彼らは安全で目立たない投資の機会を求めているのであって、割安な投資先を探しているわけではないからだ。

英政府も本当に外国人による不動産購入を妨ぎたいのなら、課税よりも登記簿にオフショア会社の受益者を明記させるはずだ。透明性は「匿名の」ロシア人やウクライナ人ら外国人にとってはるかに大きな打撃になる。彼らのおかげでロンドン不動産市場は熱を帯びている。不動産サービス会社ジョーンズ・ラング・ラサールのコンサルタントらによれば、同市場の熱は1-10の中の8.1と極めて高い。
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